KUREiの氷結晶制御機能

氷結晶制御機能

氷結晶制御技術

水が凍結するのは、水の中にある異物が核になることが引き金になっています。その核を中心に微小な氷結晶が発生し、​

0℃付近でその結晶が成長します。その後、水全体が凍結して氷となるのです。普段何気なく見ている氷結晶はこのようなメカニズムで形成されています。​

氷結晶制御機能は、核の発生から氷結晶が成長するまでの現象を制御します。​

第一段階:氷核の形成を制御する段階 ➡ 過冷却促進機能

第二段階:微小に生成した氷結晶が冷凍時(-20℃以上) ​

                    に成長して巨大化する段階 ➡ 氷結晶微小化機能​

これらの制御技術は、自然界に生息している多様な生物が、​

0℃以下の環境下でも生存するために獲得した能力に関係している天然素材を利用しています。 ​

過冷却促進機能

北海道の針葉樹はなぜ厳寒の冬季でも凍らないで生存しているのでしょうか?この要因の一つが、針葉樹の木部柔細胞が深過冷却を起こして、過冷却状態で凍らない状態を維持しているからです。この現象は、細胞内に蓄積されている複数の過冷却促進物質(ポリフェノール配糖体など)です。これら物質は氷形成の第一段階の氷核の形成を阻害する機能を有しています。多様な作物(野菜、果実など)に霜が発生したり、凍ったりするのは、表面に存在する氷核となりうる異物が存在していたり、果実内の糖分が少ない箇所での氷核形成が起きたりするのが原因です。この過冷却促進物質を利用した技術は、これらの発生や凍結を遅らせたり、抑止したりする可能性があります。​

氷結晶制御機能

氷結晶微小化機能

氷結晶微小化技術

冷凍時の氷結晶の大きさは、氷核が発生する温度範囲(形成時)と凍結した後の氷結晶の巨大化(保存時)によって決まります。氷結点(0℃付近)に到達するまで水温は早く冷却しますが、‐5℃に到達するまではゆっくりとした速度になります。​

この低速度によって、最大氷結晶生成帯(-1~‐5℃)があります。急速冷凍技術以外に、巨大化を避けるには、核発生温度を‐5℃以下にすることが重要です。これは、一旦形成された微小な氷結晶の大きさが、全体が凍結する氷結晶の大きさにもなります。また、凍結した後の氷結晶の巨大化は、凍結した個々の氷結晶の大きさの相違で、巨大化します(氷再結晶化)。​

この氷結晶を微小に維持する技術は、形成時を制御する過冷却促進機能と保存時を制御する氷再結晶化抑制機能を利用することです。 ​

水の凍結と氷結晶成⾧(PDF)